2017年4月の記事

hiroblog

吾妻会総会

April 24,2017 04:48 PM

中村壱太郎(吾妻徳陽)さんにお招きを受けて、日本舞踊の吾妻会総会で講演して参りました。

とても緊張していたのですが、壱太郎さんの完璧な司会に乗って「GOEMON」のこと、日本舞踊とフラメンコの共通点等々、楽しくお話し出来てホッとしております。

懇親会では御宗家吾妻徳穂さんに貴重な日本舞踊のお話しを聞かせていただき、また先代の御宗家と中村富十郎さんの「二人椀久」の貴重な映像も拝見出来ました。

こんな機会を与えていただき心から感謝しております。
ありがとうございました。

宮中晩餐会

April 8,2017 07:48 PM

天皇皇后両陛下主催、スペイン国王夫妻をお招きしての宮中晩餐会に出席して参りました。
両陛下、国王夫妻は出席者全員とお話しになり、美智子様には私共の「フラメンコ 曽根崎心中」のDVDをご鑑賞いただき、お褒めの言葉を頂戴しました。

これからも日本とスペインの架け橋となるような芸術活動をしっかりと務めて参ります。

マリウス

April 2,2017 02:09 PM

「マリウス」全32回公演、無事に終了いたしました。
観に来てくださいました皆様、本当にありがとうございました。

毎日役者さん達の渾身の演技に泣かされる感動の日々でした。

座長の今井翼さんは去年の十月花形歌舞伎「GOEMON」からさらに役者として大きくなられて、いつも舞台袖から嬉しく、そして眩しく見ていました。
千穐楽のカーテンコールでは「Vamos a bailar juntos (一緒に踊ろう!)」って声をかけてくれて、舞台上で初めて一緒に踊ることができました。
この様にいつも周りに細かく気を配り、和ませ、稽古を含めて2ヶ月の長い航路を無事に終えることができたのもこの船長あってこそ。心から感謝しております。

瀧本美織さんとは縁あって去年の12月、友人達と一緒にこの舞台のためにマルセイユを訪れました(この奇跡のような感動の旅の様子はご本人のブログに細かく書いてあるので是非読んでみてください)。純粋無垢とはこの方のこと。その優しい心で、少女から母へ、一途に愛する女性の心を繊細に哀しく演じていらして、毎日泣かされました。

柄本明さん。怪優。日本を代表する役者の至芸を毎日観る事のできる事のありがたさ。フラメンコをとても気に入っていただけました。

ここ数年私たちの舞台音楽を手掛けてくださっている中島千絵さんの才能も爆発していました。山田洋次監督とお話しする時、彼女のことをよく褒めていらして、内心嫉妬しながらもとても誇らしかったです。

ジプシー役の工藤朋子は立派に舞台にフラメンコ花を添えていました。我が弟子ながら褒めてやりたいです。

いつも演奏してもらっている白澤美佳さんのヴァイオリン、岩月香央梨さんのパーカッションも素晴らしかったです。こんな大舞台で共演出来るなんて!

石塚隆充のカンテ、斎藤誠ギターも大活躍していました。奴らと笑いに笑った1ヶ月。最高でした。

正月は家族で「男はつらいよ」を映画館に観に行くのが恒例でした。私の育った環境も向こう三軒両隣。縁側にはいつも近所のお爺ちゃんお婆ちゃんがお茶を飲み、職人さんたちが仕事の合間に立ち寄りワンカップをグイッとやっていました。そんな縁側の人々のひとり、政治の話が大好きな米屋のおじさん。対立候補のない市長選に義心に駆られてよせばいいのに立候補。選挙ポスターは白黒のコピー。私もポスター貼りを手伝いました。それでも一市民の素朴で真摯な街頭演説は次第に人が集まり、感動して涙ぐむ人もいて話題になりましたが、結果は大敗。
このように山田洋次監督の映画に出て来るような人がたくさんいたので、私が寅さん大好き少年に育ったのも当然です。
悪い人は一人も登場せず、殺人もなく、市井の人々の暮らし、生き様のみに光を当て感動ドラマを創り上げる山田監督の哲学、美学を愛する私が、同じく社会の底辺に生きる人々が生み出したフラメンコを生涯の仕事に選び、未だ人間の濃厚な情が息づくヘレスに居を構えるに至ったのも当然でした。

まさかその山田監督のお仕事に関わらせていただくなんて夢にも思いませんでしたが、夢ではなかったのです。

「マリウス」は「男はつらいよ」のアイデアを産んだ作品。上質な笑いが満載で毎日袖で大笑いしていましたが、同時に昔懐かしく、失ってしまった光景、もう二度と会えない人々を思い出し、笑いながらも涙が頬を伝っていました。

こんな作品を創ることができるのは山田監督しかいません。

山田洋次監督、素晴らしい役者陣、一流のスタッフと一緒にお仕事させてもらい、これ以上ない勉強をさせていただきました。

ありがとうございました。

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