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Photo:Hiroki Sato
2008年6月
June 8,2008 06:37 AM

¡ Viva Lebrija !

愛しきレブリーハに行ってきました。去年私のアイドル、ベルナルダとのフィエスタ以来。http://arte-y-solera.com/blog/2007/04/

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マヌエル・バルガス(プロの歌い手ではないが、カンテの名手で有名。ペドロ・バカンのレブリーハ4部作の中に録音がある。)の息子さんが交通事故で身体が不自由になってしまい、彼のためのチャリティー・コンサートに歌い手のアントニオ・デ・ラ・マレーナが彼の息子マレーナ・イーホとマテオ・ソレアと出演するということで、私はパルマを頼まれての同行。

この中心地にある広場。昼間はお年寄りたちが、100mぐらいのこの広場を3,4人並んで往ったり来たり散歩しているのが名物。私もこの悠久のときを生きる人々を眺めながら、作品「歓喜」で振り付けした群舞「ロマンセ」のインスピレーションをここで得ました。そうそう、さきのマヌエル・バルガスが歌っていたブレリアをアントニオに頼んでこの作品で歌ってもらいました。「como cruji a la leña~」ってやつね。
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さて、会場に着くとなんと出演者の名前のところに アル・バイレ:ヒロ(ハポン)だって!それもなんとイネス・バカンの次。どーすんの?靴持ってきてないし、ジーンズだし。「パルメーロって言ったじゃん!」とアントニオに詰め寄ると、「ノーパサナー!ウン、バイレシート、トルペ!」(訳:問題なし!ちょっと踊れ、アホ!)と一蹴される。
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もう10年ぐらい前に鍵田と二人でエンリケ・パントーハに「ブレリアをちょっと踊るだけで小遣い稼ぎになるから来ないか?普段着でいいからさ。」と誘われて、トレドの金持ち農園の祝宴に連れて行かれたのを思い出しました。このとき、マドリーからきた踊り手たちがバリバリひとしきり踊った後、エンリケの叔父、ディエゴ・パントーハ(フィエスタの神)が興に乗っちゃって、「さーて本日は、日本からスペシャル・ゲストが来ております!このパレハの踊りは必見です!マミとジロ(ヒロなのに・・。)どーぞー!」と突然紹介される。このとき救いを求めたエンリケは後頭部しか見えない。肩が震えてる。ズルイ!ディエゴが「ところで何踊るんだ?」とっさに「アレグリア」と答え、歌い手、ギターリストたちに踊りながら、「歌!」、「シレンシオ!」、「エスコビージャ!」とお客に気づかれないように指示しながら何とか踊り通しました。本場フィエスタの洗礼。

綺麗な野外会場
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そんなことを思い出しながらヤケになって、まずは一杯。(日本では本番前に飲んだりしませんよ。郷に入れば、です。)これは、レブリーハのフィノ。旨い。

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アントニオはお母さんがレブリハーナなので親戚だらけ。入り口から楽屋までたどり着くのに挨拶で大変。私も成り行き上、油の交換(頬と頬をくっつけてチュッチュッとやる挨拶のこと。)こちら油ギッシュの人たちが多いので、日本人であまり脂性ではない私は挨拶を終えるとちょっと頬がしっとりする。

イネスが始まりました。それもしょっぱなから私の大好きな「ファンダンゴ・ポル・ソレア」。淡々と熱く、愛を語るように歌い継ぐイネス。両手をグーッと前に突き出して、失った何かを、目に見えない何かを掴み取ろうとするように。その所作はどんな踊りよりも踊り、レブリーハの月夜に届いてました。その後のブレリアはもう、¡ Viva Lebrija !

熱唱するイネス・バカン
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さて、いよいよ私たちの出番。すっかりまな板の上の鯉な私はマテオとアントニオの歌にパルマを叩きながら酔いしれる。最初はアントニオ。カンティーニャ・デ・ピニーニ。レブリーハ、ウトレーラに継がれるこの歌を独特のグルーブで歌う。楽しい。踊っているときよりもこうしてパルマ叩いているときのほうが最高に楽しい。

マテオは古謡ソレアをファン・タレガよろしく渋~く歌い継ぐ。枯淡。旨い。アモンティジャオよりも旨い。

続くアントニオ。ソレア・ポル・ブレリア。歌知りの彼。マリア・ペーニャ、ロサリオ・デ・トゥリアーナ、ラ・モレーノの珍しいスタイルを聴かせる。観衆もオレーに次ぐオレー。

最後は交互にブレリア。二人ともヘレス以外にここら一帯の古いスタイルをよく知っていてもう最高潮。
私はアントニオに突き飛ばされるように押し出される。後ろからレブリーハのブレリアの嵐。前からはレブリーハ民衆のハレオ。私はもうこの宇宙の狭間にただ在るだけ。深く祈りながら、ゲラゲラ笑って踊り終えました。
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June 8,2008 12:36 AM

アントニオ・ガデス 「カルメン」

なんとアントニオ・ガデス舞踊団がセビージャのマエストランサ劇場で公演していたので、観に行ってきました。
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初めてスペインで観るガデス。超満員。何が興味深いって現在のスペイン人がどんな反応をするのか。隣に座ったおば様に話しかけたら、30年ぐらい前に「血の婚礼」を観たっきりだとか。
いや~、相変わらず何もかもが素晴らしく、もう何度も観ているのに、アッという間。最後はスタンディング・オベーションでした。隣のおば様も「インヤ~、素晴らしい、これは凄い!」と大感動の様子。主役の二人も「最高の夜だった。」と。

もう彼女以外は考えられないほどのカルメンを演じきっているステラ・アラウソ。ちょっと大味な感じも計算の上なのか、鉄火肌で、奔放、自由を生きるカルメンを見事に描いている。この作品に、そしてガデスに身を捧げている。その潔さと生き様がオーバーラップしてさらに感動してしまう。

アドリアンも、もう長くこの作品を踊っているだけあって、彼独自の色をしっかりと出してきているように見えた。偉大なガデスの仕事と踊りを引き継ぐという、それだけでも途方も無いことなのに、運命的に彼自身であってはならないのに、それを奇跡的なレベルで成し遂げている。脱帽。

あと、とてもギターの音が綺麗で、迫力もあるし良くなったな、と思っていたら、アントニオ・ソレラ以外変わっていた。誰かと思ったら、なんと、あのラモン・ヒメネス。ソリストとしても活躍しているのに。思わず楽屋で遭遇したときにヒョエー!と声を上げてしまった。知り合いでもなんでもないのに「このまま居続けてね!」なんてお願いしちゃった。余計なお世話だよね。

歌い手のマヌエル・チャコンは昨年の日本公演のときにカップルになったガデスの娘さん(セリア・エステベ。来日時は歌い手として参加。)と結婚し、すでに子供が生まれていた。「俺らの子供はMADE IN JAPAN!、いや~東京は最高だね~。」だって、なんのこっちゃ。

さて、我がマエストロ、エンリケ・パントーハのもとへご挨拶に。
観に来ることを知らせていなかったので、死ぬほど驚いてた。一年以上前の来日以来の再会に抱擁。早速、セビージャの夜の帳へ。

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劇場近くのバルだったので、観客もいて質問攻めにあっていた。なんとその多くがガデス初体験。25年前の作品だと知って驚愕していた。新作だと思っていたらしい。みな一様に群舞構成、照明、音楽、細部に至る仕事の緻密さ、丁寧さに感動していた。

と、そこに一人の怪物が。
マリア・ヒメネス。
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一時代を築いたセビージャ生まれのカンタンテ(スペイン歌謡の歌手)。
最近は頭に大きな孔雀の羽を付けて自分の番組を持っていた。フラメンコのアーティストも多く出演していて面白かったけど、終わっちゃたのかな?

このボヘミアン、すでに相当酔っ払っていらして、旧友エンリケを見つけ火がつく。
ブレリアをその場にいる全員を相手に延々と踊り始める。中にはブレリアを踊れない人もいて(当然だけど)、踊れないとわかった瞬間に、完膚なきまでに無視。さらに自分よりも楽しそうに踊り始めるとこれまたプイッと背を向け無視。ほかの相手を探す。もう目があったら最後。

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3人で「早くずらかろうぜ!」と目配せして逃亡。
しかしタクシーを捕まえたところであっけなく見つかり。乗り込まれる。ギャー。
もうすでに何喋ってるかわかんな~い!
そのあとは、もう・・・。ご想像にお任せします。

フランコの軍事政権時代を生き抜いてきたアーティストって、気骨があり(まさにガデス!)尊敬されている人が多いけどその反面、ハチャメチャ振りがもう底なし。
久しぶりに洗礼を受けました。

June 6,2008 08:35 AM

ヘレスでリハーサル 2

今日はホセが書いてくれたエストリビージョ(繰り返し歌う短い歌)の練習。
メロディーは最高なんだけど、leleleだけで繰り返すのでなんだか軽くなってしまう。

「ちょっと、leleleだと軽いからさ~、もっとグッとくるようになんないかな?アホ!」(私)
「エ~、これ気に入ってるんだけど、アホ!」(ホセ)
「いや、メロディーは最高なんだけど・・・。」(私)
「歌詞つけてみたら?」(鍵田)
「それいーねー、ハイ!それではいますぐ書いてみろよ、アホ!」(私)
「いま?!%&#%!!、って書けるか、アホ!」(ホセ)
「お前ならできる、インテリヘンテで、天才なんだからさ~、アホ!」(私)
「そんな天才って・・・。んん~~、オッあれあれ出てきたぞ!」(ホセ)
「そうだ、その調子だ、いけ~!アホッ!!」(私)

とまあこんな感じのやり取りがあって、ものの5分ぐらいで歌詞をつけてくれました。
直訳すると変な会話ですが、フラメンコって生ものだから、リハーサルのときはやっちゃ場みたいな、訳も無く半ギレ状態で、けなし合い、褒め合いながら進んでいきます。
みんなでインスピレーションを織り成していく作業は楽しくもあり、でもうまくいかないときは最悪。
この「アホ!」と最後に付けるのは私の常套句。失礼ですね。

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さて、出来上がったエストリビージョを、伝統芸専門の二人(モモとトロ)が練習。二人とも自嘲気味に笑ってる。

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なんかホセ先生に絞られている、居残りの生徒みたい。
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でも30分ぐらいでホセ先生も驚くほどの熱唱。めでたし、めでたし。
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ところで、いつもヘレスで借りているこのスタジオ。2000年にペーニャ・デビューしたときも、’04年に「FLAMENCO 曽根崎心中」で総勢50人!で来たときも、’05「歓喜」のときも、ここでの練習でした。みんなが帰った後、ボーっとしていたらいつの間にか追憶の旅に出てしまいました。
出会いと別れ。みんな元気かな?estudio.JPG

June 3,2008 10:55 PM

ヘレスでリハーサル

またまたヘレスにおります。
日本で「行ってきます」のご挨拶できなかった皆様、申し訳ございません。
でも今回はすぐ戻ります。

今回は8月の公演のリハーサルのためにやって来ました。

まじめ(つもり?)に打ち合わせ中。
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歌い手エル・トロから朝電話があり「今日支払期日だったの忘れた!だって嫁が今朝言うんだもん、あのうすらボケ!」奥さんのせいにしてオメーが忘れたんだろ!と思ったがスペインの役所、金融機関への支払いや届出の難儀さを身をもって経験しているので同情し、承諾。よって彼は本日欠席。
ちなみにパルメーロのルイス・トタは、初日リハでまだ何もかたちになっていないため呼びませんでしたが、スタジオ前のバルでカプージョと昼間っからヘベレケになっておりました。あ~恐ろしや。

アイデア満載のホセ君
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前に来たときに資料として渡しておいた古~いカンシオン・ポル・ブレリアをものの見事に現代風、というかホセ風に仕上げてくれた。彼はもともとギターリスト(パリージャの親戚なのであの名調子をピコピコ、ジャララッと達者に弾くのです。)なので、言うことが音楽的。

片やファン・エル・モモは生粋の歌い手、それもカンテ・ヒターノ・オンリー。この違いが面白いね!

これモモの背中
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フフフ、「soy de la plazuela」だって・・・。これ彼らのオリジナルTシャツで、この間のフェリアのときプラスエラの若いヒターノたちが同じの着て一族郎党誇らしげにねり歩いておりやした。表にはエル・トルタ、腕にはラ・パケーラのプリントがしてあって、いや~、ダサかっこよかった!

盟友アントニオ(マレーナ・イーホ)とペペ・デル・モラオ
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今回初めて共演する、泣く子も黙るギター界の名門、モラオ家のペペ。祖父のマヌエル・モラオ、叔父のモライートの薫陶を受け育った彼のトーケは・・・。

とにかく彼らの力を借りて、また負けないように頑張らないと。ビバ・ヘレエエエ~~!

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