附け打ちの山﨑徹さんとは歌舞伎作品「GOEMON」で長年共演させて頂き、また昨年「舞踊批評家協会賞」を受賞した「恋の焔炎」にもご出演いただ来ました。
こうして同じ舞台を踏んだ経験も大事ですが、それ以上に徹さんのフラメンコ愛から出でる附け打ちが格別なのです。
初めての出会いは「GOEMON」出演時、私が踊っている間、いつも上手袖にじっと見つめている人の気配に気づきました。
勇気を出して話しかけてみると、「フラメンコ好きなんです」と。
そこから話が盛り上がり、レマーテ(フラメンコの見得を切るところ)の時に附けを入れてもらいました(黙って認めてくださった、演出の水口一夫先生に感謝しております)。
まさかフラメンコに附けが入るとは思っていない歌舞伎のお客様はニヤリとしていましたが、歌い手のホセ・ガルベスが「あのパーン、パン!ってなんだ⁉︎やめてくれ!リズムが狂っちゃう!」と訴えて来ました。そこで附け打ちがリズムに合わせて打つのは野暮で、ずらすところに妙味が出る効果(この限りではない)を懇々と説明したところ、興味深く納得してくれ、ここに初めてフラメンコと附け打ちの出会いが生まれました。
あれから幾歳月、スペインまで辿り着くとは、、、。
さて、本編オープニング、シギリージャの超変拍を用いた中島千絵さん作詞作曲「栄耀栄華」。
難曲シギリージャを附け打ちの性質上(舞台上の位置、打法)リズムにクリーンヒットさせることは至難の技です。
それをものの見事に成立させ、かつリズムに合わせるだけではなく、絶妙に揺らし、ずらし、歌舞伎の附け打ちならではの味わいも入れ込んだ技には瞠目致しました。
「うつし世に浮かぶ花」では儚く舞う魂を繊細な打法で表現されて、附け打ちの未来を切り拓く立役者となることを確信しました。
本編ラストのメイン曲「A dónde vamos 〜我々は何処へ〜」の冒頭はカンテから始まる演出だったのですが、中村壱太郎さんが「通常役者の動き、息に合わせて打つ附け打ちを、暗転の中、無に向かって打ち上げたらどうだろう」との発案を受けました。
壱太郎さんのこの曲の無常感を深く理解した上でのアイデアに唸りながら、徹さんに相談したところ「やってみます!」と二つ返事。
暗転の中、附け打ちと共に照明がフェイドインし、打ち上がったと同時にアントニオ・マテーナのカンテが地の底から呼び起こされ唸り始め、、、。
それはそれは気宇壮大な世界観が生まれました。
附け打ちとフラメンコの蜜月。
¡Olé los dos!
*写真はリハーサル時
🔶出演
#鍵田真由美
#佐藤浩希
鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
(#工藤朋子、#柏麻美子、#東陽子、#小西みと、#中里眞央、#小野寺麻佑、#山﨑嬉星、#辻めぐみ、#三四郎、#中根信由)
客演:#権弓美、#川松冬花、#荒濱早絵、#矢野吉峰
#中村光(歌舞伎俳優)
#中島千絵(ピアノ・ヴォーカル)
#浅野祥(津軽三味線)
#斎藤誠(ギター)
#山﨑徹(附け打ち)
Antonio de la Malena(Cante/カンテ)
Ana de los Reyes(Cante/カンテ)
Antonio Malena hijo(Guitarra/ギター)
Ale de Gitanería(Percusión/パーカッション)
🔶特別出演
#中村壱太郎(歌舞伎俳優)
🟥国際交流基金サイト
日本語 https://www.jpf.go.jp/j/project/culture/perform/oversea/2024/07-03.html
英語 https://www.jpf.go.jp/e/project/culture/perform/oversea/2024/07-03.html
🟥Veranos de la Villa公式サイト
🟥国際交流基金マドリード事務所の公式サイト
主催:Veranos de la Villa、国際交流基金(JF)
共催:ARTE Y SOLERA
協賛:三菱電機株式会社
#japanfoundation
#fundacionjaponmadrid
#veranosdelavilla
#paisinvitadojapon
#VeranosDeMadrid
#arteysolera #flamenco