2009年3月の記事

hiroblog

デスヌード Vol.2

March 31,2009 11:15 AM

昨年から新しく始めた企画「デスヌード」。お客さんとの距離をグッと縮めて、とにかく好きなことをやります。

カメラマン川島浩之さん撮影、デザイナーふみ特さん制作のチラシ。力作!

裏面

作品の内容は私のオタク魂を燃やして創っているので、あまり歌われない(特に踊り用には)カンテを選りすぐっております。またスペイン歌謡の名曲をフラメンコにアレンジして踊ります。

ただスペイン歌謡の名曲といっても日本では全く知られていませんし、カンテいたってはいまではほとんど歌われていないようなものを発掘してくるのでスペイン人に怒られるほど。そこで観に来ていただける皆様に前情報としてお知らせしようと思います。
耳になじんでいたほうがどんな風にそれがアレンジされるのか、そんなところも楽しんでいただければと。

まずはじめに
Joan Manuel Serrat ジョアン・マヌエル・セラート
1965年にデビューしたスペインを代表するシンガーソングライター。
キューバやアルゼンチンをはじめとする、全スペイン語圏でも絶大な人気を誇る。
若いころ政治的な行動、発言から亡命もしていたほどで、自由のシンボル的存在。

以前「愛と犠牲」の公演で彼の「ラ・サエタ」を踊りました。
今回は1969年に発表された名曲「Poema de Amor~愛の詩~」を取り上げます。
この曲が今回の公演のテーマ曲。
DESNUDO Vol.2 「Poema de Amor~愛の詩~」と公演タイトルにします。今書きながら決めました。
ウソ、さっき鍵田と決めました。

大名盤 「La Paloma」に「Poema de Amor」収録。

彼の代表曲が満載の超名盤。フラメンコとは全く関係ないけど、是非。
http://www.amazon.co.jp/Paloma-Joan-Manuel-Serrat/dp/B00004X0M3/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1238474892&sr=8-1

Poema de Amor

El sol nos olvidó ayer sobre la arena,
nos envolvió el rumor suave del mar,
tu cuerpo me dio calor,
tenía frío,
y allí, en la arena,
entre los dos nació este poema,
este pobre poema de amor
para ti.

(朗読)

太陽は 昨日 わたしたちを砂浜に置き去りにした

海のやさしいざわめきがわたしたちを包んだ

寒かったわたしをあなたの体が温めた

そして、あそこで、あの砂浜で

二人の間にこの詩が生まれた

あなたに捧げたこの哀しい愛の詩が

  
mi fruto, mi flor, 私の果実、私の花
mi historia de amor, 私の愛の歴史
mis caricias.  私の愛撫

Mi humilde candil, 私の慎ましいランプ
mi lluvia de abril, 私の4月の雨
mi avaricia. 私の貪欲

Mi trozo de pan, 私の一片のパン
mi viejo refrán, 私の古い諺
mi poeta. 私の詩人

La fe que perdí, 失ったはずの信仰
mi camino 私の道のり
y mi carreta. 私の荷車

Mi dulce placer, 私の甘美な幸せ
mi sueño de ayer, 私の昨夜見た夢
mi equipaje. 私の荷物

Mi tibio rincón, 私のあたたかい片隅
mi mejor canción, 私の最良の歌
mi paisaje. 私の風景

Mi manantial, 私の泉
mi cañaveral, 私のサトウキビ畑
mi riqueza. 私の財産

Mi leña, mi hogar, 私のたきぎ、私の暖炉
mi techo, mi lar, 私の屋根、私のかまど
mi nobleza. 私の威厳

Mi fuente, mi sed, 私の源泉、私の渇き
mi barco, mi red 私の舟、私の網

y la arena. そして あの砂浜

Donde te sentí   そこで あなたを 感じ
donde te escribí そこで あなたへの
mi poema. 詩を書いた

(対訳/軽部春海)

真心おたがい様コンサート リハーサル

March 25,2009 01:12 AM

今日は4月10日に行われる「真心おたがい様コンサート」のための音楽のみのリハーサル。
朝からあちこち動き回ってお腹ペコでリハーサル会場に。そこにスタッフの皆さんのためのお弁当がどっさり山積みで私を待っていた!思わず一つ頂戴したら宇崎さんに見つかり「ったくお前ってやつは!」とお叱りを。トホ。でも大概こういうときのお弁当って残るんだよね。盗みエコなり。
さて、本題。
スタジオに入ったらベリーダンスのパートをやっていた。凄くかっこいい。変拍子だったり速度が目まぐるしく変化して、私の耳にはプログレにしか聞こえない。それもアラブの香りのする。最高。これに踊りがついたらどんな世界になるんだろ?フラメンコ・プログレを目指す私にとってはうらやましい限り。横田明紀男さんの早弾き痺れる~。
近藤和彦さんアレンジの誰もが知ってる名曲(公演前だから曲名明かせなくてごめんなさい)は、新しい解釈で、渋い仕上がりに。リズムが幽妙で、管楽器群がエロくてこれまた最高。
また近藤さんのファンならだれもが知っている逸曲に阿木さんが歌詞をのせてさらに深い世界が。でも今回はベリーダンスのためのもの。実は前から狙ってたんだけど先を越された!これでいつか必ず踊ってやる(嫉妬)!
そのあとは寺井尚子さんらも参加して、数曲。
超一流ミュージシャンたちの生の演奏を近くで聴けて最高なひと時でした。
私は何をしに来たんだろ?音楽鑑賞プラス弁当盗み。楽しかった~。

リハーサルって合わないところを合うように、またちょっとぶつかってみたり。その様子ってまさに人間のコミュニケーションの縮図そのまま。でもみんなが見つめている先はただ一つ。愛ある世界。こんな風に音楽で愛を語り合うように普段人と接していきたいなと、皆さんの奏でる姿を見て思いました。

アントニオ・ガデス舞踊団フィエスタ

March 22,2009 12:30 AM

先日来日していたアントニオ・ガデス舞踊団との大フィエスタがうちのスタジオでありました。ステラ・アラウソはじめ、アドリアン、おなじみエンリケおじさんほか全員集合。今回は何とあの照明のドミニク・ヨウまで来てくれた!ここに日本フラメンコ照明の祖、井上正美氏との初対面が実現。いやはや濃すぎる。

フィエスタのはじめにあいさつ代わりにこれまた恒例の私たちの踊りのプレゼント(押し売り?)。前回は曽根崎心中の抜粋。今回はフエンテオベフーナ(アンダルシアの嵐)の冒頭で歌われているトリージャ(麦こき歌。アンダルシアの労働歌)をちょうどミセスクラスのみんなが発表会のために練習していたので急遽集まってもらい、いきなりぶちかます。加えてビジャンシーコを歌い踊り、次に私が恥を忍んでサエタ・ポル・マルティネーテを歌い鍵田が踊る。そのあと舞踊団員が加わり「愛と犠牲」で踊ったジョアン・マヌエル・セラットの「ラ・サエタ」を披露。みんなこちらがびっくりするほどに喜んでくれた。

こうして書くと1曲も普通に踊られるフラメンコの曲がなかったことに気づく。でも、真のガデスファンの方ならならこの曲構成に「なるほどね~」と言ってくれるはず。

私たちはガデスが残し、伝え教えてくれていることに心からの「ありがとう」を言いたかったのです。

そのあとは狂乱の朝まで大ブレリア大会。
個人的にはまさかの復活を遂げたラ・ブロンセとその夫ガブリエル・コルテス(御歳74歳)のいぶし銀の歌が聞けて、そりゃもう感涙ものでした。ファニャーレス(へレス男)も狂ったように歌ってたな~。

どうか一日も早い再来日を!

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