日本を代表するパーカッショニスト、大儀見元さんとはフラメンコ版「曽根崎心中」を一緒に作り上げた同志です。今回も超絶グルーブで音楽隊のみならず、私たち踊り手を包んでくれました。
津軽三味線の浅野祥さんは世界で唯一、フラメンコの最難曲、シギリージャを演奏できる方です。
壱太郎さんと鍵田真由美と祥さんの三つ巴の場面は、お互いの芸を腹の底から掻き出しぶちまけた様で壮絶そのものでした。目を背けたくなったり、陰惨だけど美しかったり、怖いけど楽しかったり、3人の芸の交響曲は傑作でした。
歌舞伎の附け打ち、その可能性、魅力を広げている山﨑徹さん。フラメンコを愛し、その変拍子を理解して附けを打てる方はきっとこれから100年現れないでしょう。繊細な心のひだまで表現する附け打ちにゾッコンです。
ヴァイオリンの白澤美佳さん、「いつも難しいけど、今回ヤバい」と独り言をこぼされていました。それほどこの作品の要所要所を担われ立派に引っ張って行ってくれました。
篠笛の武田朋子さん。優しい、とにかく優しい音色とお人柄。その愛ある表現力のお陰で壮絶な場面でも、それだけではない重層的な深みを与えてくれました。
箏の山野安珠美さん。壱太郎さん振付の鍵田が踊る本作品最重要曲を悲しく哀しく弾き、阿部好江さんの歌と共にみんなを泣かせてくれました。
今回初めてご一緒するチェロの渡邉雅弦さん、ヴィオラの角谷奈緒子さん。フラメンコ特有の音楽言語に戸惑いながらも、素晴らしい感性と確かな技術を持って初めての出会いにドキドキ、ワクワクしながら新しい風を吹かしてくれました。
鼓童の阿部好江さんの歌声は、天空から降り注ぐ宇宙の伝言そのもので、踊りながら全員が昇華されるのを何度も目撃しました。
フラメンコギターの斎藤誠さん、アントニオ・マレーナ・イーホは読み慣れない楽譜に悪戦苦闘しながら、音楽の原始的な衝動を伝えてくれました。
こんなに個性的で他ジャンル過ぎるメンバーを類稀なる作曲能力でまとめ上げた中島千絵さん(作詞、音楽監督も兼任)。
彼女とは10年以上毎年大小様々なフラメンコ作品を創り続けて来ましたが、今回は江戸川乱歩の世界観を見事に音楽の一大抒情詩に仕上げてくれ、改めてその才能に脱帽しました。
皆が口々に「天才」と言っていたのも深く頷けます。
奥深い音世界と葛藤しながらの振付は困難を極めましたが、素晴らしい作品への完成へと導いてくれて、本当に感謝しております。


