パーカッショニストでパルメーロ(フラメンコの手拍子専門家)のアレ・デ・ヒタネリア に誘われて、のファミリア・マレーナのフィエスタ録音に参加。
久しぶりに会う面々。
彼らヒターノ(ロマ)と寝食を共にし、日常の中にある喜怒哀楽の沸点、その中から突如噴出するフラメンコを教えてくれた人々だ。
控室には酒蔵直送のヘレス酒、パロ・コルタード、アモンティジャド、オロロソ等がずらり、各種ハモン(生ハム)たちを従えて勢揃い。
仕事の前に絶対アルコールは飲まないのだが、郷に入っては郷に従え。
そもそも全員仕事感ゼロ。
飲み干す前からドンドン注がれヘベレケ。
お馴染みマヌエル・デ・ラ・マレーナなんか、コパ(ワイングラス)持ってないだけで、「お前のコパどこだ⁉️」とドヤしてくる。
家にご馳走様たんまり作ってあったから、間食したくないのに、食べていないとおつまみジャンジャン手づかみで渡されちゃう。みんなおせっかい。
昭和を思い出す。
ひとしきり談笑、なんてもんじゃなくみんな録音のこと完全に忘れている様子。
そうこうしているうちに、再会の交歓絶頂のまま録音ヘ突入。
ファミリアの中にはプロもアマもいる。
当然マルエル、アントニオ兄弟、マテオ爺さん(枯れに枯れて痰がらみの歌い口が悶絶もの)は極上のカンテだ。
だけどプロではないまだ幼いラモンや、マテオの放蕩息子ファンのカンテのうまみたるや。
マレーナ姉さんのきっぷのいい歌いっぷりも最高だった。
そしてパルマとハレオ。
プロではない人たちの、ヘレスの民衆の訛り切ったそれは、まさに五臓六腑に染み渡る味わい。
私も歓喜の踊りなんてもんじゃなく、脱糞しそうになりながら踊った。
こうして最高の宴録音終了。
ところがプロデューサーのディエゴから「うるさ過ぎて、音が割れ切ってる。使い物にならん」。
一同絶句。
もう一回録り直し、の前に飲み直し。
せっかちな私はたまらなかったが、この悠久の時間を愛す人々の中での学びを思い出し、観念した。
マイクの性能が良いのか「とにかく近づくな!」との司令。
2回目。
みんな指示に従っていたが、マテオ爺さん長年の習慣でマイクにドンドン近づいちゃう。
それを阻止するためアントニオ父ちゃんにガッチリ押さえつけられて歌う様は、高級コントそのものだった。
日常生活の中にあるアルテ(芸術)。
生きる糧をお腹いっぱいいただいた。
アレのアルバム完成が楽しみだ。




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