フェスティバル・デ・ヘレス新聞評
March 27,2013 03:51 PM
フェスティバル・デ・ヘレスの新聞評です。
ディアリオ・デ・ヘレス紙
2013年10月10日
「フラメンコとスペイン歌謡 メイド・イン・ジャパン」
ファン・ガリード
ヒロ(佐藤浩希)とマユミ(鍵田真由美)は最高のショーを演じた。光と音楽が爆発、そして何よりも「愛」が主役となった。
スペイン、特にアンダルシアの文化は多くの日本人に親しまれていることはみなさんもご存じだろう。しかし、ワインや馬だけに興味を持っているのではなく、フラメンコとスペイン歌謡も心から愛している。
そして今回はへレスのアーティストたちが日本で上演したのではなく、日本人たち自身がフェスティバルにやってきて観客を驚嘆させたのである。
「感動的、そして予想がつかない展開」。サラ・コンパニアで見せた昨日のショーはこの言葉がぴったりだ。ヒロとマミは、舞踊団とともに、音と光、そして何より愛にあふれた堂々たる素晴らしい作品を上演した。この作品のタイトル(愛こそすべて)はフラメンコに対して抱いている敬意と夢から生まれたのだろう。バイラオール(ダンサー)たちがこの場合、気分よく自分のやっていることを楽しんでいるとき、観客たちもすぐに楽しむ。
ステージに入りきれないぐらい芸術があふれだした。沢山の日本人たちがヘレスの舞台でフラメンコを、スペイン歌謡を踊るのを観るのは普通のことではない。作品はアナ・デ・ロス・レジェス、フェルナンド・ソト、ホセ・ガルベスのボーカルで、ほぼスペイン歌謡を中心にまわる。序盤から貫禄があり、これ以上のない声質で観客との距離を縮めた。ロシオ・フラードの「エル・クラベル」、バンビーノのルンバやセラットの曲の音色が劇場で響きだした。
アジア風のスタイル(輝き、色彩、スパンコール…)の衣装についても特記すべきだろう。フラメンコのタブラオとパリのキャバレーをミックスしたような壮観な衣装。
サルベ・ロシエーラすら踊ってみせたのだ。観客はそんなにも完璧にも踊ってしまうことを信じられなかった。アナ・デ・ロス・レジェスがセラットの「ルシア」を歌い観客を魅了し、フェルナンド・ソトがローラ・フローレスの「エチャレ・ギンダス・アル・パボ」で盛り上げた。次に何が起こるのだろう、すべてが予測不可能だった。
ショーのフィナーレにも驚くパフォーマンスがあった。舞踊団員が劇場のバルコニーから赤いカーネーションをまいたのだった。
観客はブレリアのパルマ(手拍子)でこれに答えた。
フラメンコでのオリジナリティとはこのようなショーとことを言い、他に存在する過度な前衛なものではないかもしれない。
「ビバへレス!」最後にヒロが叫んだ。日本人にとってこの地で成功することはこれ以上ない喜びであろう。
翻訳:志風恭子
ディアリオ・デ・ヘレス紙
2013年3月11日
「失望よりも喜び」
フアン・ガリード
…舞踊家マミ、ヒロとその舞踊団による作品「アモール、アモール、アモール!」はフラメンコに国境がないことばかりではなく、ヘレスのグラシアは皆にうつるものだということを示した。日本人アーティストによるフラメンコ歌謡は客席にいる者すべてを微笑ませ、社会の不幸による哀しみや苦しみをいっとき忘れさせてくれた。
翻訳:志風恭子
こちらは前日に掲載された、私たちのインタビュー記事。
ディアリオ・デ・ヘレス紙
2013年10月9日
「へレスにはフラメンコの空気が漂っている。責任重大です。」
日本のアーティストたちが9年ぶりにへレスフェスティバルに戻り、「愛こそすべて」を上演した。「スペイン歌謡(コプラ)をこの地のソニケタソでほめたたえる作品だ」とヒロは言う。
昨年のフェスティバルでは師匠コジマが「ラ・セレスティナ」で観客を魅了した。これをマミとヒロにバトンタッチし、サラ・コンパ二アで「愛こそすべて」を演じた。
へレスでの上演はいつ以来ですか?
ヒロ:最後ここへ来たのが2004年。その時はフラメンコと歌舞伎を融合した作品を演じました。
2004年からあなたたちのダンススタイルに変化はありましたか?
ヒロ:もちろん。毎日上達していますよ。フラメンコ以外のことでもいろいろなことを学ぶことができましたし、少しずつ経験がついてくるのが実感できます。
マミ:わたしの場合、1段階ステップアップしたと実感しています。10年たった今でも体力的に全く変わっていないと感じていますしね。
「愛こそすべて」とはどんな作品ですか?
ヒロ:スペイン歌謡へのトリビュートです。ロシオ・フラードの「セニョーラ」やラファエルの「ジョ・ソイ・アケル」、ローラ・フローレスの「レレレ」、バンビーノやセラットの曲などを演じています。
この作品のために長い時間準備をしてきたんですか?
ヒロ:2011年からですね。昨年、東京の劇場で上演することができました。この作品は様々な場所で何回も上演しました。
へレスで踊ることについてはどうですか?
ヒロ:光栄です。ぼくはへレスを愛しています。この場所の空気、全てが好きです。数年前ここに家を買ったぐらいです。それにへレスはカンテの発祥地じゃないですか。ぼくは特にカンテが好きなのです。
上手く踊るのには音楽を聴くことが大事ですし、マヌエル・トーレやチャコンの存在を知るべきです。それにへレスのソニケーテを理解することが必要ですね。
マミ:日本人であるわたしにとっては貴重な体験です。日本人がへレスフェスティバルで踊るということは素晴らしいことだと思っています。
へレスと他の場所で踊るのは違いますか?
ヒロ:違いますね。ここではフラメンコの空気が漂っている。我々はこの場所でいつも歓迎されていると感じていますし、とてもやりやすいのは事実ですがその分責任は重大です。
先ほど、スペインの歌謡をアレンジしたと言っていましたが、具体的にどんな音楽にしたんですか?
マミ:タンゴ、ブレリア、ルンバ、ソレア等ですね。特にブレリアが多いです。ローラ・フローレスの「エチャレ・ギンダス・アル・パボ」という曲をフェルナンド・ソトが上手に演奏をしてくれていて、素晴らしいソニケタソを入れています。全ての曲にパンチがあり、ここの味を出していますね。
今回の配役はどんな方々なんですか?
ヒロ:へレスのアーティスト、アナ・デ・ロス・レジェス、ホセ・ガルべス、フェルナンド・ソトとマレーナ・イホ。
マミ:それに15年前から私たちと一緒に活動しているミュージシャンたちです。
マミさんとヒロさんはどれくらい踊りを続けているのですか?
マ:私は6歳の時に現代バレエを始めました。フラメンコはもう少し後から習い始めたんですが、かれこれもう30年は踊っていますね。不器用なので踊り以外のことは何もできません(笑)
ヒロ:ぼくはもう20年踊りをやっていますが、日に日に好きになっていっています。
翻訳:臼井摂
演劇界
March 26,2013 11:56 PM
下北沢の小田急線踏切が無くなったというので物見がてらに見に行った。
なかなか行けなかったあっち側の大きな本屋さんにも楽々行けるようになった。
さっそく入って「演劇界」という歌舞伎エンターテイメント誌を見たら、なんと「GOEMON」の写真が沢山!
劇評まで載っていた!
まあ、時期としては当たり前か。
イスパニアから帰って来たばかりで、なんだかまだ時空がひずんでいるような感覚なので・・・。
愛之助さんはじめ、みんなの勇姿を目にし思わず落涙。
思えば私フラメンコ舞踊家なのに、この「演劇界」に2度掲載されてる。
一度目は10年くらい前。
他のジャンルで活躍する期待の新人!みたいなページがあって、
歌舞伎評論家の和角仁さんにインタビューを受けた記事。
2度目は6年前ほど前に「FLAMENCO 曽根崎心中」を取り上げてもらった。
そして今回は「GOEMON」。
やっぱり縁があったんだね~。
嬉しい~!
「縁」関連で言えば、坂東玉三郎さんの「アマテラス」の記事で、鼓童の吉井盛悟さんも写真付きで掲載されてた!
私たちの作品「道成寺」で音楽監督、出演され、今度の4月に再び共演する、盛悟さん。
なんと「アマテラス」の音楽監督に!
すげー!オレー!
加えて今月号のフラメンコ専門誌「パセオフラメンコ」には私の歌舞伎出演に関するインタビューが掲載されております。
皆さま是非、「演劇界」&「パセオフラメンコ」ご覧になってください!
帰国しました!
March 20,2013 08:06 PM
帰国しました!
と言ってももうすでに5日前。
再び時差ボケ左衛門になっていてフラフラでした。
帰国してすぐにテレビつけたら、中村福助さんの「京鹿子娘道成寺」が目に飛び込んできた!
種之助くんの姿も!
一気にあの歌舞伎の日々へ気持ちが逆戻り。
そしてメールを見たら、4月の公演のために鼓童の吉井盛悟さんから素晴らしい新曲が届いていた!
頭は時差ボケでアッパラパーでしたが、体の中は歌舞伎とヘレスの栄養でパンパンに満たされていたので、
あっと言う間に振付出来ちゃった!
オレー!
中村壱太郎くんからも嬉しいお誘いのメールも届いているし。
フェスティバル・デ・ヘレスの余韻に浸っていたいのですが、そうもいきません。
だけど、少しだけ思い出を。
アナが教えてくれたダイジェスト版。こんなの流れるんですね~。
こちらはハビが教えてくれた映像。
さて、もう次のことがドンドン進んでいます。
何より、4月7日の発表会の準備が!
久しぶりに見るスタジオのみんなの踊り。
楽しかった!
元気が出た~!
やっぱりここが一番大事な自分の原点です。
こうして毎日みんなとフラメンコと向き合っていることが、すべての源であり基本。
この軸があるからこそなんにでも挑戦できる!
「日常こそすべて」
バモー!
ありがとう、ヘレス!
March 14,2013 08:43 AM
公演終了後、毎日お世話になった人たちへお礼行脚の日々。
反対にアントニオ家、フェルナンド家にも食事をご馳走してもらった。
フェルナンド・ソトの家にて。
なるほど、あのフェルナンドの明るさ、楽しさはこの家族譲りなんだ!
みんなとにかく明るい。
大笑いで歌い踊ったひととき。
それにしても、あの時の公演は夢を見ていたかのようで、まだ実感がない。
お客さんのあの熱狂はいったい何だったんだろう?といまでも思うくらいに凄かった。
ビジャマルタ劇場の切符売り場のお姉さんや、守衛さんまで
「聞いたよ、評判。凄かったんだってね、おめでとう!」
って言ってくれた。
街を歩いていているときも「オレー!」って度々声をかけられる。
ありがとう、ヘレス。
XVII Festival de Jerez 無事終了!
March 10,2013 08:59 PM
昨日フェスティバル・デ・ヘレス、「¡AMOR AMOR AMOR!」無事終了いたしました。
日本から来てくれた皆さん、ヘレスの友人たち、セビージャにいた翼くんも観に来てくれた。
満席の会場の暖かい声援に囲まれて、最後はスタンディングオベーションをいただけました!
今はただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
¡MUCHISHIMAS GRACIAS!
いよいよ明日本番!
March 9,2013 07:00 AM
想像以上に忙しくて、まったくブログが書けなかった。
途中テレビの撮影もあったし。
やはり海外公演は大変!
だけど日本から駆け付けてくれたスタッフ、わざわざ観に来てくれた仲間、
スペインの友人たちに助けられた~。
今日はなんと日本で私たちのクラスに通っていた、イスラエル人のナーマちゃんが来てくれた!
仕事でどうしても故郷に帰らなければならなかった、ナーマちゃん。
3年ぶりの再会!
まさかここへレスで会えるとは・・・。
嬉し過ぎる!
私の敬愛するブレリアの達人、ソリおじさんに「観に来ない~?」と電話したら。
「もうポッケの中にチケット入っているよ!」
ありがたや~。
こうして本当に大勢の人に支えられております。
信頼するミュージシャン、舞踊団と共に明日ブチかましてきます!
バモー!
到着!
March 4,2013 12:14 AM
アルテ イ ソレラのみんなが到着!
川島浩之さん、権弓美ちゃん、板倉匠ちゃん、大儀見元さん、そしてツアーのみなさんも一緒!
ゾロゾロと貸家に向かう踊り手たち。
さあ、いよいよです!
バモー!
出迎え
March 3,2013 12:56 AM
マドリッドからいよいよヘレスへ。
イベリア航空に乗ったら、機関誌の表紙がなんとRAFHAEL!
出迎えてくれた!
嬉しいー!
我らが「愛こそすべて」スペイン語題名「¡AMOR AMOR AMOR!」(なんかこの頃、愛がらみが多い?)の1曲が彼の曲。
YO SOY AQUEL
「ぼく、ここにいます!ここにいます!あなたを愛さんがため!」
と脅迫じみた愛の告白の歌。
このAQUI!(読み方はアキー!ここに~!の意)と歌うところで、指を下に突き刺すジェスチャーをする。
このジェスチャーを、もろ当て振りになっちゃうけど、べたになっちゃうけど、この曲の振付に取り入れて踊っています。
そんなこと日本人はおろか、スペイン人でもそれだとすぐわかる人は少ない。
だけど本人が!
こんな偶然ない!
「頑張って来い!」と檄を飛ばされたよう。
はい、RAPAHELさま!あなたの国で私たちの愛を踊って来ます。
AQUI!