「琥珀」公演ご鑑賞のためのカンテ。
第3回は「マラゲーニャ」。
天才ピカソが生まれたアンダルシアの港町マラガ。
マラガには多くの民謡あり、その影響を受けてフラメンコの曲として生まれました。
ご紹介するのはセルニータ・デ・ヘレス。
カンテ通の向きにはどうしてペリコン・デ・カディスやランカピーノじゃないんだ、と思われるかも知れません。
彼は早逝してしまったために録音が少ないのですがどれも名唱揃いなのです。
もし彼が長く生きていたらアントニオ・マイレーナを凌駕していたと言われるほど歌が上手かったそうです。
伴奏はあのマヌエル・モラオ。
マラゲーニャの録音された伴奏の中で(特に2番)これが私的ベスト1。
ヒターノ(ジプシー)気質でせっかちに攻め気味に伴奏しているため、叙情的な曲が甘ったるくなり過ぎず、絶妙な味わいを醸し出しています。
セルニータの息子のギタリスト、クーロ・デ・ヘレスとは長く一緒に仕事させてもらいました。
彼も父の元へ旅たってしまったけれど、ちゃんとマレーナ・イーホが受け継いで「琥珀」の公演で弾いています。今でもクーロは生きています。