「琥珀」公演ご鑑賞のためのカンテ。
第4回は「ティエント」、「タンゴ。
4拍子のティエント、タンゴ。
ティエントはゆったりとした独特の揺れのあるリズムで歌われ、タンゴは一転、早い速度でリズミカルに歌われます。
ティエントの揺れる感じが、女性舞踊手の流麗な動きを活かすのか、女性に多く踊られます。
タンゴ(アルゼンチン・タンゴとは全く別物)。は最も人気のある曲種です。
ティエントの映像と言えばホセ・メネーセ(カンテ)とディエゴ・デル・ガストールの決定版があります。
前半がティエントで7分くらいからタンゴに転じています。
メネーセのカンテ・ホンド(深い歌)然とした見事な歌いっぷりにアンダルシアの聴衆が心からオレー!と叫んでいます。
ディエゴ爺さんは一挙手一投足全てがフラメンコ。凄過ぎてずっと笑ってしまいます。
フラメンコの最高峰は何故か笑いを伴います。
その笑いは、お笑いを見てケタケタ笑うようなものではなく、悲しみや苦しみが芸術に昇華した瞬間に立ち合って、こちらの命も喜んでいる反応が笑いとなって表出します。
歌詞はのっぴきならない内容なのに、ディエゴ爺さんも満面の笑みを浮かべてオレー!って叫んでいます。