「琥珀」公演ご鑑賞のためのカンテ。
第5回目は「カンティーニャス・デ・ピニーニ」。
港町カディスで生まれた明るい曲調のカンティーニャス。
アンダルシア各地に伝わり様々な形式ができました。
そのひとつカンティーニャス・デ・ピニーニはレブリーハ生まれでウトレーラに住んでいたピニーニという歌の上手なおっちゃんがつくりました。
ピニーニの子孫にはフェルナンダ・ベルナルダ姉妹はじめ、素晴らしいアーティストがたくさんいます。
ピニーニはプロの歌い手ではなく肉屋を営んでおりましたが、彼の家では毎晩のようにフラメンコ好きが集まり、飲めや歌えの宴会が繰り広げられていたそうです。彼らにとっては宴会、フラメンコこそが生きる糧だったのでしょう。
まさにこのようなフラメンコ三昧の生活の中で、ピニーニおじさん独特のカンティーニャスが生まれたのだと思います。
家族や友人と共に、美酒とフラメンコに酔いしれながら生まれたカンティーニャス。
紹介する映像はベルナルダ・デ・ウトレーラ。
私の1番好きな女性歌手。
好き過ぎて初めてお会いした時に想いが溢れて「愛しています」と告白してしまいました。
その時すでに80前後でいらしたかと思うが「あらいやだ、恋人に怒られちゃう」と艶っぽく返されて、ますます好きになってしまいました。